今日は、実際に私が見て感動した、おもてなしの話をします。
社長がレストランのヘルプ
当時働いていた旅館での出来事です。
その日は社長みずから、夕食処のレストランに、ホールとしてヘルプで入っておられました。
レストランはオープンキッチン。個室ではなく、普通のレストランのような大きな会場にテーブルがいくつかあるつくりのため、お客様皆さまが、ガラス越しに料理人の様子を見られるようになっていました。
小学生の息子さんの将来の夢
小学生の息子さんのいるご家族に、社長がお料理を出されていた時のこと。
息子さんの将来の夢が、料理人だとわかったそうです。
社長は「よかったらキッチンの中を見学していきませんか」と提案。息子さんをオープンキッチンの中に連れて行きました。
息子さんを料理長の隣に連れて行き「これはね、お肉が固くならないように、こうしてるんだよ」と話し、料理長も楽しそうに色々なことを教えてあげていました。
息子さんもうんうんと真剣なお顔。
お母さんとお父さんは嬉しそうに、ガラス越しにスマホで何枚も写真を撮られており、もうそれだけで幸せな光景でした。
自分の息子がキッチンで料理人のお話を聞けるチャンスなんて、あまりないだろうし、その姿を目の前で見られることは、お母さん達にとっても、幸せだったろうなぁと思います。
結果的にお客様全員へ向けたおもてなしに
私が嬉しかったのは、それを見ている他のお客様も、幸せそうな顔をしていたことでした。
小さな男の子がキッチンの中に入って料理人の話を聞いており、お母さんお父さんが嬉しそうに写真を撮っている。
その光景に、他のお客様も事情を察し、皆さまキッチンの方を微笑ましく見ていました。
その時のレストランの雰囲気が、もう最高でした。レストラン全体の雰囲気が良くなり、お客様も、ホールのスタッフも、調理場の料理人達も、皆が一体となって、幸せな空間を共有していました。
あぁ、なんてすごいおもてなしなんだろうと、私は感動してしまいました。
たった1つの提案が、その場にいるお客様全員をおもてなしすることになった、素晴らしい例だと思います。
お客様に一歩踏み込む
そもそも将来の夢の話まで、なぜたどり着いたのかもすごいと思うところ。
その話の中で得たお客様の興味関心などの情報から、自分たちに何ができるのか考え、提案する。お客様に一歩踏み込む大切さを学んだ出来事でした。
沢山のおもてなしの成功例を見て、引き出しを増やしていきたいですね。
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